~ごみから学ぶプロの常識・仕事術~
人の喜びが、あすの活力になる仕事
最終回となる「小川商会五番勝負!」では、小川商会代表取締役社長・佐々木和幸氏と我らおこのみっくすマガジン編集長・藤原秋一による対談です。佐々木社長の仕事への姿勢、社員への思いを熱く語っていただきました。
小川商会代表取締役社長・佐々木和幸
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おこのみっくすマガジン編集長・藤原秋一
●労いの言葉が、次の励みに!!
藤原:初めて御社に伺い、作業現場を拝見しました。大変なお仕事ですね。
佐々木:うちは肉体労働です。ケガをしないことが大前提。真夏でも厚手の長袖長ズボンの作業着にゴム手袋、ヘルメットと安全靴は必ず着用します。
藤原:20代の頃、いろいろなアルバイトをしましたが、凍える冬に水をかけながらコンクリートを切る仕事が辛かったことを思い出しました。厳しい環境で働くと時々心が萎えることも…。
佐々木:私が入社した約30年前、みんなと同じようにごみ収集車の運転手という仕事から始めて、きつかったですね。
藤原:佐々木さんが現場に出ていた頃より、今の方がラクになりましたか?
佐々木:いや、厳しいですよ!守るべき約束事も増えましたし、それでも、お客様から「ご苦労さま」と言葉をかけてもらうと、「よし、次もがんばるぞ!」と励みになります。
藤原:我々の仕事もそうですが、感謝の気持ちを直に感じられる仕事っていいですね!
●毎朝の声かけで、社員の体調を察する
藤原:小川商会での仕事歴を一通り教えてください。
佐々木:23区清掃車の運転手から、一般廃棄物の収集や分別、マンションの汚水槽等の清掃、経理など。
藤原:何でもこなさないといけない!?
佐々木:今でもほとんどの仕事を手伝える自信はありますよ!
藤原:そういえば、毎朝6時に清掃車の見送りをされているそうですね。
佐々木:はい、今朝もやってきました。見送る時、今日は元気だろうか…社員の様子を見ながら声をかけています。
藤原:先代の社長から続いているそうですね。
佐々木:はい、会社に受け継がれているいい習慣だと思っています。
藤原:声かけで心がけていることは?
佐々木:自然体でいたいです。若い頃、社長に話しかけられて身構えたことがあって…。雑談中に、社員が「疲れているのか?」「機嫌がいいのか?悪いのか?」くらいはわかりますね。
藤原:僕も見習わないと!!
佐々木:さり気なくですよ。
●社員の責任は自分が取る!!
藤原:ごみに対する社会の変化はありますか?
佐々木:家庭や企業での分別は、かなり浸透してきました。
藤原:そうなんですか?
佐々木:7年前に23区のごみ分別方法※が変わり、不燃ごみだった空き缶やペットボトルがリサイクルされて、徹底されてきました。
藤原:聞くところによると、佐々木社長は徹底した現場主義だとか…
佐々木:社員には臨機応変に対応してほしいので、できることは任せたい。何かあったら、私が責任を取ればいい。それが社長の仕事ですから。
藤原:僕にはできないなぁ。
佐々木:あとは…ごみ屋さんという3Kのイメージを払拭したいです。
藤原:みなさんの様子は、毎号おこのみっくすマガジンでご紹介させていただいています。
佐々木:おかげさまで!社員や仕事を知ってもらういい機会になっています。
藤原:それは、うれしいですね。
佐々木:私たちは、これからもごみと関わっていくので、ごみの意識が少しずつ変わってほしいです。
※平成20年4月から、東京都23区内のごみ・資源分別方法を変更。「プラマーク」付のプラスチック製容器包装やペットボトルはリサイクルへ。中野区一般家庭の古新聞や段ボール等の古紙は各町内で回収。