アール・ブリュットを知っていますか?これまでの常識や伝統にとらわれず、美術の専門教育を受けていない人たちが心の内を表現する作品を「アール・ブリュット」という。作家には、知的または精神に障害のある人も多くいる。何も加工されていないことから、またの名を「生(き)の芸術」とも。それは、黒いボールペンの線画だったり、粘土をこねた小さな人形だったり…実に多種多様だ。「障害者への理解にもつながり、社会貢献にもなる」と社会福祉法人愛成会がアール・ブリュットの芸術文化を発信して4年目。そして、ここ中野にもアール・ブリュット作家が複数おり、おこのみっくす編集部はそのひとり宮宏一郎さんを取材した。宮さんをはじめいろいろなアール・ブリュット作品を見ていると、「有名な画家だからよいものとは限らない」「表現には垣根なく心の機微が現れる」「そもそも芸術って何だろう?」と考えてしまうのだ。無作為で緻密に描かれ、繊細で大胆な色づかい。描かずにはいられない作家の心の叫びが聞こえてくるようだ。アール・ブリュットは、見る者の心を揺さぶり、打ちのめす。中野のアール・ブリュット、見ずにはいられない。