大成食品株式会社 が歩んできた
Hundred Years
今や世界各国でブームを巻き起こしているラーメン。その、ラーメンという料理を100年近く支えてきた会社が中野の誇る東京製麺本舗・大成食品株式会社。創業は大正6年(1917年)で、あと3年でちょうど100年を迎える。代表を務める鳥居憲夫社長に、「今までの100年」と「これからの100年」について聞いた。
The History -歩み-
大成食品は、初代の祖父から脈々と受け継がれ、現在3代目。かつて、横浜で書生をしていた祖父が、書生仲間の中国人から製麺技術の手ほどきを受けたのが、鳥居家とラーメンを強く結びつける起点となった。当時は資金がなく屋台を引っ張っての営業。初めて出店したのは荻窪で、中華料理屋をオープンした後、粉問屋の「鳥居商店」、戦後には中野に移動して「大成軒製麺所」、そして昭和36年(1961年)に「大成食品」と変遷を重ねてきた。今では一日5万食・150種類以上の麺を製造し、多くの繁盛店を含む全国500軒以上もの店舗にラーメンの命である麺を届けている。
TORIISM -トリイズム-
これから迎える新しい100年に向け、人材育成にも取り組む大成食品。製麺技能士の資格を持つ鳥居社長のもう一つの顔は、「鳥居式らーめん塾」の塾長だ。まずカリキュラムに組み込んだのは、ラーメン店という一国一城の主になるための「覚悟作り」。ラーメンの作り方は言わずもがな、経理面や店を持つことに対する細かなノウハウまで伝授してくれる。これまで100人ほどが塾を巣立って行ったが、卒業後も味のコンサルタントをはじめ相談事には親身に乗る。ある1期生にジャカルタに店舗を出したいと打ち明けられた時には、大成食品として出資を検討。インドネシア視察も敢行した。「これから注目されるのは若手。お客様の目線でモノを考えている勉強熱心な若手がいっぱいいて楽しみ」と顔をほころばせた。塾生に慕われ取り巻く人々を魅了してやまない鳥居社長に、最後に質問を投げかけてみた…「鳥居社長にとってラーメンとは何ですか?」。その答えは、「たかがラーメン、されどラーメン」
これまでの 100年 、これから迎える新しい 100年
Smile みんなの笑顔
鳥居社長が常にスタッフに発信している経営理念、それは『お客様の笑顔を創り続ける』こと。『あなたの笑顔がわたしの幸せ』を原点に、「商品を買ってくれるお客さま、原料を納入してくれる協力会社、そして仲間同士など、大成食品の周りにいる人たちはすべてお客さま。お客さまが笑顔でいられるために何ができるかを考え続けることが重要」と語る。月に一度開催される工場直売麺市場で大好評なのが、直売限定商品の生パスタ。ソース類も豊富に取り揃え、イタリアンコーナーとして賑わっている。昨年12月の直売麺市場には、「毎月楽しみでしょうがない」「いつも1ヵ月分をまとめ買いしています」という大勢のお客さまの笑顔でいっぱいだった。
大成食品では、中華麺だけでなく生パスタとうどんの製造も始めた。どちらも試作を繰り返し、商品化までに数カ月を要した。特にうどんは小麦粉・食塩・水のみを使用するごまかしがきかない商品だけに製麺技術の腕の見せ所だ。毎週土曜日、新たにうどん直売コーナーを設置したが、その美味しさへの中野区民の反応は素早く、いつも2時間程で売り切れてしまう。それでも「まだ納得していないんですよ。もっと小麦粉本来の味や香りが強い、他にないようなうどんを完成させたい」と鳥居社長。美味しさへの欲望、お客さまを喜ばせたいという願望に終わりはない。
工場直売麺市場 毎月第3日曜日10:00~16:00
豚と鶏 上海麺館
昨年9月にリニューアル。豚だし・鶏つけ麺が新しい
■中野区中野5-63-4
■03-6379-9640
■平日11:00 ~ 15:00、17:00 ~ 23:00 土曜11:00 ~ 17:00
■日曜定休
つけ麺発祥の地・中野
麺彩房 中野本店
■中野区新井3-6-7
■03-3386-2327
■11:00~15:00、17:30~20:30(スープが終了次第閉店)
■月曜定休(祝日の場合は営業、翌日休み)
大成食品株式会社
■中野区新井2-20-9 ■03-3386-5636 ■本社直売所営業時間10:00 ~ 17:00
【麺の停車場 楽麦舎】毎週土曜11時~生うどんを直売(新井3-6-7 ※麺彩房に隣接)